ニニフニ。

寺社を巡ったり描いたり彫ったり。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

明王院(みょうおういん)

明王院



鎌倉にて十三仏を祀るもろもろの寺院が特別公開実施中ということで行ってみた。
梅が咲いてる時期でもあるし。


仏教では死んであの世に行くと閻魔大王がいて生前の罪を裁かれたりするわけだけど、
実は裁判する王さまは閻魔のほか十二人もいることになっている。
全部で十三人の王はそれぞれ裁判を行って、死者が次に生まれ変わるときどんな待遇にするかを決めるのだ。
しかしこのおっそろしい地獄の裁判官というのは仮の姿で、なんとその正体はみな仏さまなんである。
これらの仏が「十三仏」で、名を挙げると

不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如来、観音菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿しゅく如来、大日如来、虚空蔵菩薩。

ちなみに閻魔さまの正体はお地蔵さんだったりする。
つまり十三仏に参拝するってことは自分が死んだときに裁判よろしくお願いしますねってことになり、
また既に亡くなった親族などの裁判をどうぞよしなにってことにもなる。
これが「十三仏参り」で、江戸時代くらいに流行ったらしい。


十三仏それぞれを祀る寺院が地域にそろっていると「十三仏霊場巡り」が可能になるわけだけど、
この中では「阿しゅく如来」がくせもの。
マイナー気味でなかなか出会うことがない仏だからだ。
しかし鎌倉ではちょうど「覚園寺(かくおんじ)」に阿しゅく如来がいたので十三仏が揃いぶみというわけ。


で、明王院はその名のとおり十三仏の一番目、不動明王が本尊。
鎌倉幕府から見て北東=鬼門に位置するこのお寺は外敵調伏を目的として建立され、
元寇の際なんかには大規模な敵国降伏祈願が行われたんだそうな。
供養寺ではなく祈祷専門の祈願寺なので墓所はどこにも見当たらない。


若いお坊さんの案内で普段閉められている本堂に上がらせてもらうと、
中には堂々とした大きなお不動さんが座っておられた。
さらにその両脇には「降三世(ごうざんぜ)」、「軍荼利(ぐんだり)」、「大威徳(だいいとく)」、「金剛夜叉(こんごうやしゃ)」の四明王まで。
鎌倉にお不動さんを祀る寺院はいくつかあるけど、五大明王が集結しているのはここだけ。
このお不動さんは鎌倉時代、慶派の仏師によって造立されたんだとか。
堂内の暗さと距離がちょっと離れていることもあって細かい部分は確認できないものの、
バランスの取れた体躯で力強い感じ。光っているような玉眼も印象的。
四明王は残念ながら江戸期に焼けてしまって、現在の像はその後に造られたそうだけど、やっぱり五体揃ってると迫力があるなあ。
さすがは鬼門封じ担当。


五大明王の右隣を見ると、脇仏としては違和感があるほどに大きい薬師如来も。
お坊さんの話によれば、廃仏毀釈の際にかろうじて難を逃れた客仏なのだという。
当時はこの付近の海岸などでかなりの仏像が燃やされたらしい。
この薬師さんも表向きは破壊したことにしておいて、ひそかにかくまっていたんだって。
今となってはもともと何というお寺にいた仏さまなのかもわからないそうだけど、
これだけの大きさからすると、どこかの本尊をつとめていたのかもしれない。
こういう経緯を経た客仏ってのは鎌倉にけっこうあるみたいで、

「扇ガ谷の寿福寺には堂内にボロボロの仁王がいる」

なんてこともお坊さんは教えてくれた。
廃仏毀釈の話を聞くたび、明治以前の寺社の風景は今とどれほど違っていたんだろうかって思う。


それともう一つ聞いた話。
明王院から対角線の方向=裏鬼門に位置する「本覚寺(ほんがくじ」)にはえびすさんが祀られているんだけど、
これがまたコワモテらしい。
やはり裏鬼門だから穏やか顔じゃイカン、というわけだ。
えびすさんと言えばニコニコしたふくよかなおじさんってイメージだけど、
本覚寺のえびすさんは笑いもしてなければ鯛も持っていないんだって。
正月に七福神巡りをする参拝者からは

「あんなおっかないのがえびすさんとはどういうことよ」

とクレームがあるとかないとか。
ま、このえびすさんと五大明王が鎌倉を守ってきてくれたならありがたいってなもんですよね。





うめのはな


うめ










関連記事
  1. 2010/02/24(水) 00:31:26|
  2. 鎌倉|
  3. trackback:0|
  4. comment:0
<<杉本寺(すぎもとでら) | ホーム | 塩船観音寺(しおふねかんのんじ)>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://nihhi.blog43.fc2.com/tb.php/80-cf7b9f33
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。