ニニフニ。

寺社を巡ったり描いたり彫ったり。

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放光寺(ほうこうじ)

山門

恵林寺から北へ5分ほど歩いたところに放光寺はある。
ちょっと珍しい仏様がいることで有名なお寺だ。

花の寺としても知られているらしいのだけど、萩なんかも終わってしまって、
咲いているものは見当たらない。

仁王門


仁王

堂内の拝観は案内付きで、何人かの参拝者が坊さんの説明を受けていた。
ところが私は一人だったからか、坊さんが他の人を案内中だからか、ご自由にどうぞってことになった。

そこへおばあちゃんが出てきて、

「お茶入れておきますんで、見終わったら召し上がってくださいねー。」

とのこと。いいお寺だ。

受付には、「抹茶付き拝観」と「コーヒー付き拝観」もありますと書かれている。
選べる拝観。参拝者に対してオープンなようだ。

本堂


風通しのいい本堂内を抜けて、隣にある愛染堂へ。

ここにちょっと珍しい愛染明王がいるはずなんだけど、
肝心の像は国の重要文化財であるためさらに隣の宝物殿へ移っていて、
堂内には彩色されたレプリカ像が安置されていた。

愛染堂


愛染明王っていうのは眼が3つ、腕は6本あって、身体は真っ赤で、
頭に獅子の冠を載せ、蓮華の上に座ってすごく怒っているという、なんともかっこいい姿をした仏だ。

また「愛欲」をはじめとするいろんな欲望、
「煩悩」を否定しない仏として姿のみならず性格にも特徴がある。
煩悩と聞けば、普通は滅するべきだとか考えられがちであるけれども、
愛染明王に言わせれば「そんなのムリ」なのである。

人はいろんなことでモヤモヤしたり、イライラしたり、ああしたい、これ欲しい、
という感じで煩悩に心を乱されながら生きているわけだけど、
そういったことは人間に備わった本能であるので完全に断つことはできない。
というよりむしろ、煩悩があるからこそ、人はどうやってその先へ進んだらいいのかと考えたりもする。
だから煩悩があるということも大切なんですよ、というわけだ。

そんなことを言ってくれる愛染明王は、ドロドロの欲望をキラキラした向上心へと変換させてしまう力を持っている。
最も断ちがたい煩悩と言われる「愛欲」も、利己的な小さい愛を利他的な大きい愛にまで高めちゃえばオッケーとのこと。

「欲」は捨て去るべきものではなくて、取り込んでコヤシにしていこう、って感じだろうか。
要するに、怖い顔をしていても人間というものをよく理解してくれている寛大な仏さまなのだ。
まあ、欲にまみれっぱなしのままでは怒られそうだけど。

で、愛染明王は通常、左右の2番目の手に弓と矢を別々に持っているわけだけど、
放光寺の像は矢をつがえ天に向かって弓を引き、今まさに射ようとしている特殊な姿で表される。
これは「天弓愛染明王」と呼ばれるタイプのもので、造像例が少なくなかなか目にすることがない。
そんな珍しい天弓愛染明王像の中でも放光寺のものは日本最古であるらしいから、
これが大きなウリになっているわけだ。

ごえん


レプリカ愛染さまに結ばれた綱にはたくさんの5円玉がくくりつけられている。
愛染明王は「愛」を司る仏であるから、一般的には恋愛成就とか縁むすびといったご利益を期待されているわけで、
「ご縁」がありますようにってことで「5円」がジャラジャラしているのだ。
よく拝まれている様子。

宝物殿に入ると、そこにはオリジナル愛染さまがいた。
気迫溢れる表情で弓を引いている。
その放つ矢でみんなの欲を浄化して昇華させるんだろうか。
像高は89センチとのことだけど、坐像でその大きさだからほぼ人間サイズで迫力がある。
腕が6本もある複雑な造形ながらも破綻することなくまとめられていて、
斜めから見たりしても無理やり感はない。

さらに放光寺の本尊大日如来と不動明王もいて、こちらの二体も重要文化財。
大日さまは穏やか顔で不動さんはスマート。

三体はいかにも平安仏といった趣で、みんな立派にしておられた。

宝物殿


拝観を終えると、最初に言われた通りお茶と落雁が用意されていたのでちょっと休憩。
境内は静かでなんだかやけに落ち着いた。

ああ私もいろんなモゾモゾやウズウズ、なんかこうぐわーっとした欲望を
まっすぐなエネルギーに変えていきたいものだなあ。

と、一息ついて帰り際、いただいた落雁が受付で売られているのを見つけたのでひと箱お土産にした。

らくがん


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  1. 2008/10/23(木) 00:00:00|
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