ニニフニ。

寺社を巡ったり描いたり彫ったり。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

大善寺(だいぜんじ)

ぶどう畑

山梨へ行ってきた。
目的地は大善寺である。

勝沼にあるこのお寺は国宝指定の本堂や重要文化財指定の仏像などを多数所蔵する名刹であって、以前から行きたいと思っていた。
今回足を運ぶに至った理由はまたしても「本尊御開帳」だ。

大善寺の本尊薬師如来、日光菩薩、月光菩薩は5年に1度しか公開されず、しかも開帳期間は一週間と短い。
なんでも昔は常時オープンだったらしいのだが、過去に本尊が盗難被害に合ってからというもの、滅多にその姿を拝めなくなってしまったらしい。
本尊は無事戻ってきたけれども、こういったケースで公開が制限されるのは残念なことである。

まあともかく5年に1度のチャンス、これはぜひともお会いしたい。

で、勝沼ぶどう郷駅に着いたのが朝の8時過ぎ。
事前情報によると、駅から大善寺へはタクシーで5分ということだった。

しかし拝観は9時からで、時間には余裕があり、晴れた朝の空気が気持ちいい。
そんなわけで歩くことにした。

辺り一面に広がるブドウ畑の間を通っていく。
さすがぶどう郷であるなあと感心していると道が行き止まりで引き返し、ブドウ畑を彷徨ったりもしたが、
お寺には9時ちょうどに到着し、完璧なペース配分であるなとまた感心した。

山門


仁王

大善寺の創建は8世紀にまで遡る。
行基っていう有名なお坊さんがこの地を訪れた折、夢の中にブドウを持った薬師如来が現れ栽培をすすめた。
そこで行基は堂を建てブドウ栽培を始め、村人にも作り方を教えた。
これが日本のブドウの発祥なんだそうだ。
古く、ブドウは薬草として用いられていたらしい。
薬師如来は病を治す仏であるから、その点も合致する。

いいなあこういう伝説。

実際、本尊の薬師如来像は手にブドウを持っていた。
が、今は無くなってしまったらしい。惜しい。

石段


建立から720年以上経つ本堂はさすがに立派なもので、大善寺も「国宝がある」ということをかなり前面に押し出している様子。
まあその気持ちは分かるけれど。

国宝の本堂


行者堂


本堂内に入るとお寺の人が案内をしてくれた。
いつもは拝むことができないんですよとかなんとか。

中央の厨子内に秘仏の薬師如来、手前に同じく秘仏の日光、月光菩薩。
両脇には十二神将、さらに2メートル超えの大きな日光、月光菩薩に、文殊菩薩、毘沙門天と目白押しである。
しかもこれらの像を間近で拝める点が素晴らしい。

秘仏本尊は後回しにして、まず脇の十二神将に目を向ける。

十二神将っていうのは薬師如来専属のボディーガードであって、
それぞれが7000の夜叉を配下に従える12柱の鬼神である。

ということはつまり十二神将全体で84000の軍勢を率いていることになり、
そんなスゴイ方々をさらに薬師如来は従えているのであって、
薬師如来はスゴイなあということになるのだ。

私は十二神将が大好きで、今回秘仏同様にお会いできることを楽しみにしていた。
なぜ好きなのかというと、
それは彼らが思い思いだからである。

十二神将の師匠である薬師如来はやはり師匠であり、お寺の主役でもあるので、
キリっとしていないと示しがつかない。脇侍の日光、月光菩薩もまた同じ。
ところが十二神将は云わば脇役であるので、ちょっとくらい羽目を外してみてもいいかな?
と思っている節が彼らにはあるように感じられるのだ。
それは身に着けている甲冑、ポーズ、表情の豊かさに表れている。

怒ってる方もいれば笑っている方もいて、かと思えば武器の手入れをしていたり、考え事をしている方までいる。
鎧もカッチリ身に着けている方がいる一方で、着崩して胸がはだけている方もいるのだ。

なんてユーモラスかつファッショナブルな集団だろう。

大善寺の十二神将のうち右脇にいる6体も、やはり思い思いに睨んだり怒ってたり遠くを見つめたりしていた。
鎧のデザインもそれぞれ違っていて、沓を履いてる方も裸足の方もいたりした。

そして中央の秘仏、薬師三尊。
三体とも平安時代の作で日光、月光の両菩薩は彫りが浅く、ちょっと素朴な感じでかわいらしさがある。
で、本尊の薬師如来はというと、とてもニッコリしていた。

写真で見たらそうでもなかったのに、ニッコニコじゃないか。
どういうことか。

いやでも考えてみれば5年ぶりに扉を開けてもらったのだから、薬師さまも嬉しいのだろう。
開帳で嬉しいのは参拝者だけではなくて、仏様も同じなのではないかと思った。

続いて左脇の十二神将6体。
と、ここでそのうちの1体が目に留まった。
その十二神将の名は因達羅(いんだら)大将である。
彼だけが、明らかに浮いているのだ。

まず、兜が変であった。
なんか兜に如来の頭の螺髪(らほつ、パンチパーマみたいなやつ)であるかのような突起がついていて変なのである。

そして顔も変であった。
他の十二神将の表情とまるで共通点がないように見える。
彼以外は皆、怒っていたりしても「人」の表情なのだけれど、
因達羅大将はなんというか「鬼」に近いような感じなのだ。
それは漫☆画太郎氏が描きそうな顔で、強烈なインパクトがある。

そしてさらにノースリーブであった。
個性出しすぎである。
なんなんだ。
薬師如来を上回る印象を与えられてしまったではないか。
まあ面白いので大いにけっこうなのだけれども。

大善寺は他にも庭園など多数の文化財に加え、宿坊もあり、かつ座禅会や修行体験もやっていて、
変な因達羅大将がいたりする大変見所の多い噂通りの名刹であった。

「国宝のある」大善寺、ぜひ一度行かれてみてはいかがだろうか。


本堂


関連記事
  1. 2008/10/04(土) 00:00:00|
  2. 山梨|
  3. trackback:0|
  4. comment:0
<<恵林寺(えりんじ) | ホーム | 秩父札所の御朱印3>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://nihhi.blog43.fc2.com/tb.php/15-f4a2f214
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。